歯科技工(士)とはこんな職業です!

ここでは一般の皆様にはあまりなじみのない私たち歯科技工士のことを簡単にご紹介いたします。

そもそも歯科技工士とはどういう職業ですか?

歯科技工士法において、「歯科技工士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、歯科技工を業とする者をいいます。「歯科技工」とは、特定の人に対する歯科医療のために提供する補てつ物、充てん物又は矯正装置を作成したり、修理したり、又は加工することをいいます。
歯科技工士の資格を得るためには、一般的には高等学校卒業後に、専門の歯科技工士養成学校で2年間(もしくはそれ以上)の教育を受けて必要な単位を習得し歯科技工士国家試験の受験資格を得た上で、歯科技工士国家試験(学科試験および実技試験)に合格する必要があります。初めて学ぶことや慣れない作業も多く、最初の頃は大変かもしれませんが、これからますます進む高齢化社会にとって私たち歯科技工士の役割は今まで以上に重要になると思われます。

歯科技工士は全国にどれくらいいますか?

免許を受けた歯科技工士で実際に歯科技工を業として行っている人数(就業歯科技工士)は、平成22年度で35,413人となっています。
また、歯科技工所数は19,443施設となっています(厚生労働省資料より)。
歯科技工士数は、平成20年度に比べ0.2%増加ですが、近年は結婚後も活躍する女性の比率が高まっています。
年齢構成では50歳以上が39.0%(13,811人)と最も多く、やや高齢化が目立っています。

歯科技工士は歯科医院に勤めるのでしょうか?

歯科技工士の就職先には、歯科医院から注文を受けて技工物を製作する歯科技工所(コマーシャルラボともいい、当社も歯科技工所です)や歯科医院や診療所内の歯科技工室、および歯科材料メーカーなどが主な就職先です。
歯科技工所などに勤務し技術を磨いたあと独立して歯科技工所を開業する技工士も少なくありません。
割合では歯科技工所が68.5%(24,271人)、歯科医院、診療所が29.9%(10,595人)、その他1.5%(547人)となっています。

一人前の歯科技工士になるにはどれくらいの期間がかかりますか?

職場の種類や個人差もあるので一概にはいえませんが、基本的なインレーやクラウン、義歯が作れるまででも約5年。
複雑な色の調和や患者の歯並びや顔貌に調和させるセンスが要求される前歯などでのポーセレンワークなど、もっと長い期間が必要になります。

具体的にはどんなものを作るのですか?

最も一般的なのが、う蝕(虫歯)などを削った部分を回復するための詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)、抜けた歯の両側の歯に橋をかけて新しい歯を作る橋義歯(ブリッジ)などの充填物、冠などです。
それと、多くの歯を失った場合に装着する部分義歯(パーシャルデンチャー)や、すべての歯を失った場合の総義歯(フルデンチャーまたはコンプリートデンチャー)などの義歯=入れ歯があります。
また、歯並びを正しく美しい噛み合わせにするための「矯正装置」や、歯ぎしり防止や顎関節症治療に使う「ナイトガード」や「スプリント」、スポーツ選手が使う「カスタムマウスピース」も歯科技工士が製作します。
特殊なものとしては、顔面補綴物や義眼、人工耳介なども製作する場合があります。

インレーやクラウンはどのようにして作るのですか?

要点だけを簡単に言いますと、歯科医院で歯を削ったあと、型取りをして石膏の模型を作ります。
その模型上で削った歯の部分を歯科技工用のロウ(ワックス)で噛み合わせを調整しながら健全な形を回復します。
ワックスで作った歯の原型を鋳造で金属に置き換えたあと、調整と研磨をして完成です。
この方法は、ロストワックス法(精密鋳造法)とも呼ばれます。
最近では、CAD/CAMを使って、鋳造が困難か不可能なセラミックスやチタンの補綴物を作製することも多くなってきました。

義歯(入れ歯)はどのようにして作るのですか?

こちらも要点だけを簡単に言いますと、歯科医院で残っている歯を義歯の装着に適するように調整したあと型取りをして石膏模型を作ります。(ここまではインレーやクラウンと一緒ですね)
歯科技工所で製作した患者さんの噛み合わせを記録するための技工物を使い、歯科医院で患者さんの噛み合わせを記録したあと、義歯を残った歯に固定するための金具(クラスプ)や義歯同士をつなぐ金具(バー)を作ります。
患者さんのお口の状態や顔立ちを考えて義歯に使う人工の歯(人工歯)を美しく機能的に並べます。失われた歯茎の部分はワックスで回復します。
数回患者さんのお口の中で調整をしたあと、ワックスの部分を歯茎の色をしたプラスチックで置き換えて、調整、研磨をして完成です。

義歯(入れ歯)の歯ぐき部分に使われている材料はなんですか?

前歯の治療では患者さんの残った歯の色や形に調和させた補綴物を作らなければなりません。
そのために、補綴物自体は金属で作っても外から見える部分には特殊なプラスチックやセラミックス材料を使って作ります。また全部セラミックスを使って金属をまったく使わない「オールセラミックス」も作ることが出来ます。
使用する材料や治療方法によっては健康保険が使えない場合もありますので歯科医院でよく相談されてください。

歯が抜けたのですがブリッジや義歯はしたくありません!

ブリッジは保険で出来る実績のある治療法ですが、両側の健康な歯も削らなければならないことが最大の欠点です。
ブリッジや義歯によらない治療方法として「インプラント治療」があります。インプラントは人工歯根とも呼ばれ、歯が抜けた顎の骨に人工の歯根を埋め込みその人工歯根の上に補綴物を固定するので噛み心地や噛む力をほぼ元通りに回復することが出来ます。インプラントは義歯でもお使い頂けますので詳しくは歯科医院でご相談下さい。

奥歯(臼歯)でも白い歯にしたいのですが…

奥歯には強い力が加わるため、通常、奥歯の治療には金属が使われることが多いのですが最近は審美的(見た目の自然感)要求の高まりから金属を使わず自然な色にしたいという方が増えています。
そのような場合には弊社でも扱っております「ハイブリッド材料」または「セラミックス材料」の補綴をお薦めします。料金も様々ですので詳しくは歯科医院でご相談下さい。

健康保険で治療しました。使われた金属の成分を知りたいです

健康保険での治療に最も多く使われる金属は通称「金銀パラジウム合金」と呼ばれる銀合金です。
メーカーにより多少の違いはありますが成分は概ね次のようなものです。
銀:約50%、パラジウム:20%、金:約12%、銅:約15%、その他(JIS T-6106)。
また乳歯の場合には概ね次の組成の銀合金が使われます。銀65%、錫20%、亜鉛15%(錫の代わりにインジウムを使う物もあります)。

金属アレルギーが心配なのですが…

まずご自分がどのような金属に対してアレルギーがあるのかをはっきりさせておくことが重要です。
歯科医院や皮膚科などで調べてもらって下さい。
その後、歯科医院でご相談のうえ、アレルギー対応型金属の使用や、金属を使わない方法で治療することも出来ます。
歯科でも使われるチタンという金属は極めてアレルギーの出にくい材料だといわれています。
すべてをセラミックスで治療(オールセラミックス)すれば金属アレルギーの心配がありません。